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1997 年度 実績報告書

Trk導入髄芽腫細胞株のNGF誘導細胞死モデルにおけるapoptosis機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 09771064
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

村垣 善浩  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70210028)

キーワード髄芽腫 / アポトーシス / 分化 / 神経成長因子 / Trk / p75 / シグナル伝達
研究概要

我々は、髄芽腫細胞株のD283に神経成長因子(NGF)の受容体であるTrkを遺伝子導入したD283trkが、NGFにより細胞死(アポトーシス)を起こすことを示した。従来のNGF/Trkが分化誘導や細胞死阻止に働くという結果と全く異なるため、そのメカニズムを解明する前にまずこの現象がD283に特有の現象なのか、髄芽腫に特徴的なものかを検討した。同一患者から得られたD425(原発巣)とD458(播種した細胞から)細胞株を用いた。これらの細胞は内因性のtrkAを発現していないことを確認した。trkAmRNAの遺伝子導入後、高発現細胞(D425trk,D458trk)のNGFに対するリン酸化反応をホスホタイロシン抗体により確認した。形態学的に、D425trkはD283trkと同様NGFにより短期間で(4日以内)apoptosisが誘導されたが、驚くべきことに同一患者由来のD458trkは長期間(4-5週間)のNGFの添加により、分化-擬集した細胞塊より長い神経様突起を多数伸長-を示した。これらの結果から、D283trkでのアポトーシス分子機構の検討と共に、全く異なる反応を示したこのD425trkとD458trkの分子機構の違いをRT-PCRとNorthern blottingにより検討した。両細胞ともにtrkAはNGF添加後増加していたが、もう一つのNGF受容体である低親和性NGF受容体p75NGFRは、D425trkでは発現が認められなかったが、D458trkでNGF添加後に発現がみとめられた。更に免疫染色(蛍光抗体法)でNGF添加後D458trkの細胞表面にp75蛋白発現を確認した。今後は、D283trkと共に、D425trk-D458trkシステムで、シグナル伝達(PI3-K等)やその他の因子をmRNAと蛋白レベルで観察する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村垣善浩, その他3名: "TrkA受容体を発現させた同一患者由来髄芽腫細胞株が、神経成長因子により分化と細胞死を示した。" 第6回日本脳腫瘍カンファレンス抄録集. 65 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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