全身麻酔非動化したネコ一次視覚野に微小電極を挿入し受容野中心で格子反転刺激(0.9cycle/deg)を行ってVEPを記録する。次に、末梢部で同様の刺激を行いVEPを記録する。末梢部の視覚刺激は、空間的に位置を変え、また内部の格子の方向も変え、様々な条件で記録を行う。その結果を非線形システム解析法により解析したところ中心部と末梢部との相互干渉成分であるslow distributed component(SDC)は格子模様がorientation preferenceに沿って直線的に並ぶ時にその振幅を増加させ、非直線的に並ぶときにはその振幅が減弱することが分かった。 次に、実際には見えないが周囲の図形の条件からあたかもその図形があるように感じられる主観的輪郭線を、受容野中心をorientation preferenceの方向に沿って動かすと同様のSDCの促進的反応が確認された。 これらの結果よりネコ一次視覚野において、単なる機能柱を超えた、機能柱間士の働きによる促進的・抑制的な両方の相互干渉機能があると考察される。
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