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1997 年度 実績報告書

皮下脂肪組織の機能-血行路ならびに神経路との関連

研究課題

研究課題/領域番号 09771108
研究機関杏林大学

研究代表者

三鍋 俊春  杏林大学, 医学部, 講師 (50200077)

キーワード皮下組織 / 層構造 / ラット / 肉様膜 / 血行領域 / 筋膜 / 皮弁モデル / linking現象
研究概要

ラット体幹部の真皮・深筋膜間の組織層を検討した。
1.ラット皮下組織の層構造
(1)皮下組織の浅層には、真皮下面に密着する薄い筋肉層が存在した。これは従来より肉様膜pannniculus carnosusとして認識されていた組織層であるが、同層内では明瞭な樹枝状形態を示す4ないし5血行領域が集合して血管網を形成していた。また、筋肉内に分布する神経とその栄養血管も認識された。
(2)皮下組織の深層には、深筋膜直上の薄く粗な筋膜層が今回新たに認識できた。この層は、単に上下の組織層間を埋める疎性結合織ではなく、数本の肋間動静脈神経束を中心とした固有の微細血管網を有していた。その血行形態は、皮下組織浅層のものとは異なり、樹枝状の形態等は認めなかった。皮下脂肪のほとんどはこの層内に存在し、薄い筋膜層内に沈着・蓄積していた。
2.各組織層内の血行形態の変化
各組織層ごとの血管網はその形態により、特徴的な変化を来した。
(1)皮下組織浅層の3血行領域を含む皮弁モデルを新たに考案した。1血管茎とすると、血行領域同士が連携して血流を末梢側に送ろうとする形態変化すなわちlinking phenomenonを観察できた。この変化は皮弁生着部で明らかであった。
(2)皮下組織浅層の血管網は、皮弁モデルの末梢壊死部に一致して増強していた。これは新生血管の増生によるものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 三鍋俊春: "皮弁の血行:新しい知見" MB Orthop.10(4). 1-9 (1997)

  • [文献書誌] 三鍋俊春: "Superficial fasciaを利用した腹直筋拡大筋膜弁" 第24回日本マイクロサージャリー学会抄録. 156 (1997)

  • [文献書誌] 須網博夫: "Superdrainageによる皮弁血管構造の変化" 第24回日本マイクロサージャリー学会抄録. 142 (1997)

  • [文献書誌] 須網博夫: "血管構造の経時的変化-血管造影によるlinking現象の解析" 日形会誌. 18(1). 15-22 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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