研究概要 |
(研究目的)ケタミンをそれぞれ別々にラットに投与した際の鎮痛作用について,体性侵害刺激および内臓性侵害刺激各々に対する副腎交感神経活動の反射性変化を指標として調べる。 (平成9年度研究成果)平成9年度は,Wistar系ラット10匹を用いて,体性侵害刺激群(n=5)と内臓侵害刺激群(n=5)の2群にわけてケタミンを静脈内投与した場合の副腎交感神経反射電位を指標とした反応を測定した。体性侵害刺激は後肢へのピンチ、また、内臓群の内臓性侵害刺激は直腸内にバルーンを挿入、それを伸展して刺激した。交感神経副腎枝を顕微鏡下に露出し双極白金電極にのせて、オッシロスコープで反射電位を確認後、パルスカウンターに接続して反射電位数を測定。この反射電位数の増加によって、侵害刺激への反応とした。ケタミン10mg・kg-1を静脈内投与し、投与1/3/5/10/15/20/25/30/40/50/60分後に侵害刺激を計11回繰り返し、その際の、副腎反射電位数の変化を記録した。その結果、ケタミンは体性および内臓性侵害刺激に対するラット副腎の交感神経反射電位を同程度に抑制した。(Two-way Repeated-Measures ANOVA) その他に,薬剤投与法として,ラットに対し腰部くも膜下腔への慢性的カテーテル留置によるくも膜下腔投与を可能とすることができた。
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