研究概要 |
平成10年度はハロタンによるiNOS誘導抑制におけるGTP:CH-BH4系の関与を検討した。 1) IL-1β(20ng/ml)およびハロタン4MACの5時間同時曝露によって、IL-1β曝露によるPE収縮力の低下は抑制された。また、IL-1β曝露により増加した大動脈のcGMP含量はハロタンの同時曝露により有意に低下した。 2) IL-1βによる収縮抑制は2,4-diamino-6-hydroxypyrimidine(DAHP3×10^<-3>M)の同時曝露によって部分的に阻止された(p<0.05)。ここでDAHP(10^<-2>M)の曝露によってもさらなる阻止効果は得られなかった。 3) BH4の前駆物質sepiapterin(10^<-4>M)の同時曝露はIL-1βの効果を有意に増強した(p<0.01)。 4) IL-1β(20ng/ml)、DAHP(3×10^<-3>M)、およびハロタン(4MAC)を5時間同時暴露により、IL-1βの効果に対するDAHPの抑制作用は有意に増強された(p<0.01)。 5) IL-1β(20ng/ml)の5時間曝露によって誘導されたiNOS mRNA発現はハロタン(4MAC)を5時間同時暴露により有意に抑制された。 6) 以上の結果および平成9年度の結果から、血管平滑筋におけるIL-1のiNOS誘導においてAC-cAMP系、GTP:CH-BH4系がともに寄与していることが示された。また、ハロタンによるiNOS誘導の抑制機構はAC-cAMP系、GTP:CH-BH4系もともに介したものでなく、IL-1β受容体からiNOS mRNA発現までの経路に存在することが示唆される。
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