Aspergillus fumigatus freseniusが産生するfumagillinのanalogueであるfumagillolは血管内皮細胞の増殖抑制、血管新生の抑制効果を有し、また腫瘍組織内の酸素濃度を高めて、放射線感受性や抗癌剤の毒性を増強する。この性質を利用して、fumagillolが前立腺癌に対する集学的治療における重要な薬剤となりうるかどうかを明らかにする。 上記の目的のため、本年度はfumagillolのPC-3前立腺培養細胞(以下PC-3)に対するin vivoの抗腫瘍効果を検討するために、PC-3をヌードマウスに皮下移植した後にhumagillolを皮下投与して腫瘍縮小効果と、PC-3に対するfumagillolと放射線のin vivo併用効果を検討した。しかし、いずれの実験でも当初期待された腫瘍縮小効果が認められなかった。この原因の一つとして、TNP-470の投与設定量が低すぎることが考えられる。したがって、今後はTNP-470の投与量を再検討して再実験を試みる予定である。
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