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1997 年度 実績報告書

マウス大腸菌尿路感染モデルにおける各種線毛のサイトカイン産生に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 09771216
研究機関岡山大学

研究代表者

那須 良次  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10263576)

キーワード尿路感染 / 大腸菌 / マウス尿路感染モデル / 線毛 / 病原性因子 / サイトカイン
研究概要

1.供試菌の線毛の確認
モルモット赤血球を用いたマンノース感受性,非感受性の血球凝集ならびにPFテストにより供試菌の線毛を確認した。また,糖鎖標識金コロイドを用いたnegative染色法を用いて各大腸菌が保有するtype1(MS),P線毛の観察が可能であった。
2.マウス尿路感染実験
(1)腎内生菌数
実験モデルとしてわれわれが考案したアロキサン処理糖尿病マウスモデルを使用した。4種類の線毛性状を持つ大腸菌(MS+P+,MS+P-,MS-P+,MS-P-)を経尿道的に10μ141(4×10^5CFU)接種した。48時間後の腎内生菌数はMS+P+,MS+P->MS-P+,MS-P-株の順であった。MS+株とMS-株では有為差を認め,MS線毛は腎盂腎炎発症の危険因子のひとつであることが証明された。P+株,P-株の間では差は認められず,今回のマウス尿路感染実験モデルにおいてP線毛の病原生因子としての関与は証明されなかった。
(2)尿中特異抗体価,尿中サイトカイン
腎盂腎炎発症例においては尿中特異抗体価が高値(32倍以上)であった。また,腎盂腎炎発症例においては今回測定したサイトカイン(IL-1β,IL-4,IL-6,IL-8,TNFα)はいずれも高値を示したが,供試菌の線毛性状による差は認めなかった。
(3)免疫組織学的検討
腎盂腎炎発症例においては腎乳頭部の間質を中心に多核白血球の浸潤を認め,免疫組織化学的手法による観察の結果,間質を中心としてIL-6,IL-8の強い発現を認めた。今回の検討では供試菌の線毛性状による差は認められなかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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