【目的】VHL遺伝子は、孤発例の腎細胞癌(特にclear cell type)にも高率に変異を起こしていることが報告されている。VHL遺伝子産物に結合するヒト蛋白としElongin Cは、VHL遺伝子の機能とし転写伸展制御が注目されているが、我々も独自に2-hybrid systemにより未知の遺伝子VBP-1を単離、全構造を解析し報告した。今回、このVBP-1遺伝子の機能解析の1つとし、VBP-1遺伝子産物に対するモノクローナル抗体を作製した。 【方法】VBP-1遺伝子をE.coliにトランスフェクトし得られたHis-VBP-1を抗原とした。His-VBP-1を完全フロインドアジュバンドと混合しエマルジョンを作製し、BALB/cマウスに免疫した。免疫マウスひ細胞とSP2/0を細胞融合し抗体産生ハイブリドーマを作製した。抗体精製後、腎細胞癌摘出標本を用い免疫組織学的検討(ABC法)行った。 【結果】2種類の抗体産生ハイブリドーマを得た。免疫組織学的検討では、腎細胞癌特にclear cell typeの核部と一部細胞質と反応したが、他のcell typeとは、反応しなかった。 【考察】腎細胞癌に対する腫瘍マーカーとして有用であると考えられた。今後、腎細胞癌患者血清を用い、サンドイッチELISA法により腫瘍マーカーとしての有用性を検討していく予定である。
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