研究概要 |
recipientにLewis(LEW)、donorにBrown Norway(BN)を用い、心移植および皮膚移植モデルで検討を行った。胸腺内移入するdonor細胞は骨髄細胞とし、心移植1×10^8個、皮膚移植5×10^7個を胸腺両葉に注入した。(ITBMC)。FK506,1mg/kgをITBMC当日から隔日投与にて計5回筋注した。 心移植は100日以上の長期生着が得られたが、皮膚移植は生着延長効果を認めたものの、長期生着が得られなかった。移植心の長期生着が得られたrecipientにdonorおよびthird partyの皮膚移植を行うとdonorの皮膚の生着延長効果が得られ、third partyの皮膚は生着延長効果はなく、donor特異的な免疫寛容状態であることが示された。 ITBMCを行う時期を検討したが、心移植当日が最適であり、移植前3週、4週では逆に移植心は早期に拒絶された。 リンパ球混合培養は、100日以上の長期生着したrecipientのリンパ球と対照群として無処置のLEWのリンパ球を反応細胞に、また、donorおよびthird partyの脾細胞を刺激細胞に用いて行った。長期生着したrecipientは、対照群と比較してdonorに対する反応は有意に低値であり、third partyに対する反応はどちらも同様であり有意差を認めなかった。in vitroにおいてもdonor特異的であることが示された。 ITBMCと短期間のFK506の併用により心に対してdonor特異的免疫寛容の誘導が示され、また、ITBMCの時期は移植当日が最適であることが示された。
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