ヒト黄体化ホルモン受容体において、恒常的活性化を起こす変異が発見され、第3細胞内ループの変異が第5及び第6膜貫通領域の相互関係を変えることで、受容体の構造を不活性化状態から活性化状態に導く可能性を確認しているが、本研究においてはヒト黄体化ホルモン受容体の第3細胞内ループのN末端側のアミノ酸に変異を導入し、それらの受容体が恒常的活性化を示すかどうか発現実験を行い、cAMPの基礎値の上昇が認められるかどうか調べているが、現在までに予想通りの結果は得られていない。 一方、同時に作成した、受容体のC末端側を3分の2程短縮した受容体を用いて、D564G変異を導入してcAMPの基礎値の上昇を確認した。このことから、ヒト黄体化ホルモン受容体の第3細胞内ループのD564G変異による受容体の恒常的活性化には、少なくともC末端側については3分の2領域は関係していないことが示された。 今後、さらに多くの変異受容体を作成することにより、第3細胞内ループのD564G変異と関連する第3細胞内ループのN末端側のアミノ酸の同定に努力する予定である。
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