研究概要 |
ラット胎仔肺培養系にてHGFの器官形成に対する作用を検討した。胎生15-20日目のラット胎仔肺細胞塊をマトリゲル内で3次元培養すると、培養24時間後には肺胞様構造が形成され、さらに肺胞内にサーファクタント様物質を分泌することが、透過型電子顕微鏡にて確認された。一方、HGFアンチセンスオリゴヌクレオチドはエレクトロポレーション法によって細胞内に導入されると、HGF蛋白の発現を抑制することが、ウエスタン・プロッティング法によって確認された。この方法でHGFの発現を抑制すると、ラット胎仔肺細胞塊による肺胞様構造の形成は阻害された。さらにこの状態に、リコンビナントHGFを添加すると、再度肺胞様構造が形成された。RT-PCR法によって胎生15-20日目のラット胎仔肺には、HGF mRNAの発現が確認されたが、胎生13,14日目では認められなかった。以上よりHGFはラット胎仔肺形成に不可欠な物質であることが判明した。
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