1;子宮内膜の分離培養。 子宮内膜を腺上皮及び間貿細胞に分離、より純粋な細胞を培養する為にフィルター法を併用し、腺上皮細胞の培養を行った。培養細胞は、それぞれビメンチン、ケラチノサイト染色にて確認した。 2;ラクトフェリンの子宮内膜腺上皮培養細胞への効果。 上記の腺上皮培養細胞を用いて、ラクトフェリンを添加し、BrdUを用いたELISA法にて検討を行った。ラクトフェリンの濃度を1ngから1000ng/mlまで添加したが増殖効果は認められなかった。この結果及び間貿培養細胞での増殖効果の結果を踏まえると、ラクトフェリンは腺細胞にて産生され、間質細胞の増殖を促すという、パラクライン的な効果を示すものと考えられる。 3;サイトカイン及び成長因子のラクトフェリン遺伝子発現に対する検討。 ラクトフェリン遺伝子の上流にはestrogen-response-elementの存在が確認されている。今回、増殖に関わるサイトカイン及び成長因子を腺上皮培養細胞に添加しラクトフェリン遺伝子の発現をノーザンブロット法及びRT-PCR法にて検討した。すでに発表されているEGFの他にTGF、IGF-Iを濃度別に添加したが、estrogen以外にラクトフェリン遺伝子の発現を促すものはなかった。
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