1 ヘルペスウイルス再活性化の早期診断 末梢性顔面神経麻痺患者の咽頭ぬぐい液中のVZV再活性化をPCR法で調べることにより、zostersineherpete症例の早期診断が可能であることを明らかにした。また発症早期に唾液中にHSV-1が再活性化している症例をPCR法を用いて診断できることを明らかにした。さらに数多くの臨床症例にNested-PCR法を用いたヘルペスウイルス再活性化の迅速診断法を応用し、その有用性を明らかにした。2 迅速診断と抗ウイルス療法 迅速診断の結果に応じて抗ウイルス療法を施行し、その効果を検討した結果、VZV再活性化症例においては完全治癒率の向上が認められたが、HSV-1再活性化症例においては有意の治癒率の向上はみられなかった。3 さらなるウイルス迅速診断法の開発(1) 高速度PCR法の開発 短時間で反応が終了するZ-Taqpolymeraseを用いてヘルペスウイルス感染をさらに迅速に診断できるシステムを開発中である。(2) 抗HSV抗体迅速診断法の開発 抗HSV抗体陰性の末梢性顔面神経麻痺患者は、VZV再活性化による麻痺である可能性が高い。そこで抗HSV抗体の迅速診断法を開発中である。
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