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1998 年度 実績報告書

磁気センサー観測法による構音障害の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09771334
研究機関東京大学

研究代表者

内藤 玲  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90291327)

キーワード構音障害 / 中枢疾患 / 舌運動
研究概要

臨床医学において、構音障害に対する主観的な評価はなされているが、実際の構音器官の動きを客観的に評価することは非常に困難であった。だが、1992年頃のEMMA(Electromagnetic Articulometer)の登場によって、比較的軽度の侵襲で舌、下顎の発声時の運動を捉えられるようになった。 しかし、EMMAの使用は、一部の研究施設での音声学的な研究が中心となっており、臨床応用に関する研究はほとんどなされていないのが現状である。
今回、我々は実際の機能的構音障害症例を含めて、機能的構音障害における舌運動の解析によって、音声障害の評価と共に、病状、病態と舌運動の関連に検討を加えた。
正常症例において、機器の正確さを計測した。相対的なコイルの位置及び、外部の観測可能な部位との位置の比較を行った結果、過去の論文にて発表されている結果と同様に舌、下顎に接着したコイルの位置が判定できることが確認された。
次に、正常症例、及び小脳萎縮症例、脊髄小脳変性症例に対して実験を行った。
正常症例は発声開始時の舌の位置、及び舌の飛跡が一定であったが、小脳萎縮の患者は、舌の位置、飛跡、速度が一定ではなかった。興味深い点は、舌が定点に達しなかった時に、下顎が運動量を増すことによって、代償的に舌を定点まで到達させることが認められた事である。舌運動の低下を予測するなんらかのメカニズムがある事が考えられる。
機器(Carstens Articulograph AG100)が舌、下顎の位置の判定に実用上の使用に耐えうる事が判定された。臨床的に応用された研究が、現在までに発表されていない事も考えると、実際の臨床の場で通院中の患者のデータが採取され、その結果が正常例と異なることの意義は大きいと思われる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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