研究概要 |
1.蝸牛組織からのRNAの抽出 微小な蝸牛組織からRNAを抽出するのは非常に困難であった。そのため実験顕微鏡下に蝸牛の骨壁を除去し、軟部組織をリザーバー機能のある吸引器を用いて採取した。今回の検討では、10匹のラットから採取されたtotalRNA量は、5回採取し、最小11.3mugから最大39.2mug(平均21mug)と非常に微量であった。 2.水チャネルのAQP1,AQP2,AQP3,AQP4のRNAレベルでの発現 当初RNase protection assay法によりAQP1,AQP2,AQP3,AQP4の解析を予定したがRNA採取量が微量のため、1レーンに5〜10mugのRNAが必要となるRNase protection assa法の予備実験として、RT-PCR法によりAQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP5のmRNAが蝸牛組織に存在するかどうか検索した(文献1)。その結果、AQP1のmRNAは蝸牛組織に認められたが、AQP2、AQP3、AQP4、AQP5のmRNAは検出されなかった。 現在、その後発見されたAQP6〜AQP9のmRNAが蝸牛組織に存在するかどうかの検討と、AQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP5の発現の結果の再現性を確認中である。 文献1:Patil RV,Saito I,Yang X,Wax MB:Expression of aquaporins in rat ocular tissue.Exp Eye Res 64:203-209,1997.
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