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1998 年度 実績報告書

前庭神経系の可塑性に関する研究 -神経栄養因子の遺伝子発現を指標として-

研究課題

研究課題/領域番号 09771357
研究機関山口大学

研究代表者

下郡 博明  山口大学, 医学部, 助手 (70226273)

キーワード前庭代償 / NMDAレセプター / D-APV / グルココルチコイドレセプター / RU38486
研究概要

前庭神経系の可塑性、いわゆる前庭代償に、中枢に存在するグルタミン酸レセプターが関与していることはいくつか報告がある。前庭障害時の、末梢前庭でのグルタミン酸レセプターの役割を解明するために、浸透圧ポンプを用いて、ストレプトマイシンで末梢を破壊する際、ストレプトマイシン単独投与と、グルタミン酸レセプターのうち、NMDAレセプターの競合阻害剤であるD-APVを併せて投与したものとで、眼振数、頭部偏倚角度の変化を比較した。D-APVを投与すると頭部偏倚の回復が有意に早くなることが解り、前庭障害時には、末梢前庭では中枢前庭と異なるグルタミン酸レセプターの役割が示唆された。
グルタミン酸は、シナプスを介して早い情報を伝達する物質であるが、それに対して、ホルモンは血中に放出されて、時間をかけて遠隔臓器に情報を伝達する。中でもステロイドホルモンは、前庭障害時に臨床上よく治療に用いられている。しかしその作用は未だ不明であり、逆に体内のステロイドが高値をとるストレス時には、めまいを起こすことも知られている。前庭系におけるステロイドの作用を解明するために、浸透圧ポンプを用いてグルココルチコイドレセプターを拮抗薬でブロックして前庭機能を評価した。拮抗薬RU38486 0.1mM注入では前庭機能に左右差を認めなかったが、1mMでは注入側の機能は亢進し、左右差が生じた。ただしポンプ留置直後の機能不安定期には、両濃度ともに前庭機能の左右差をなくす方向に作用した。以上より、ステロイドの複雑な作用が存在することがわかり、濃度設定如何によっては臨床上極めて有効に用いることが可能であると考えた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroaki Shimogori: "The role of N-methyl-D-aspartate receptor in the gulnea pig inner ear after unilateral labyrin the ctomy" Neuroscience Letters. 252. 61-64 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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