下咽頭癌の局所進展に関して検討を行い以下の結果を得て学会、雑誌に発表した。 1、 下咽頭の原発巣から粘膜下にリンパ管浸潤が認められる症例が約20%に認められた。リンパ管浸潤は上方粘膜下で著明に認められた。 2、 原発巣と離れて娘病巣を形成する症例が約10%に認められた。 3、 粘膜下リンパ管浸潤が認められる粘膜には発赤、浮腫が認められることがあったが、実際には肉眼にて以上を確認することは困難と思われた。 4、 娘病巣の肉眼所見は注意深く観察すれば、確認可能なものがあった。 5、 散布性の発育をする原発巣と輪状後部、披裂軟骨部に進展する原病巣は早期に遠隔転移する傾向があった。
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