研究概要 |
音声での感情の違いによる変化する声帯振動様式、声帯の振動形態の違いを解析するにあたり、そのパラメーターに影響すると考えられる音程による違いや、声の大きさの違いによる差違について、3人の被験者による胸声区内での高音,中音,低音、頭声区、vocal fryなど様々な発声法をsoft,medium,loudの3段階の強さを対象とした。 超高速高解像度声帯振動ディジタルイメージ撮影装置(HSDI)画像上から4つの声門横径波形(GWW)と声門面積波形(GAW)を出した。電気声門図(EGG)波形と光電声門図(PGG)波形をGWW,GA),声帯振動撮像と対比させた。GWW,GAW上での閉鎖期の始点、EGG波形の上昇開始点,閉小期にある上昇部にみられるknee,最大点、PGG波形の最小点などを各発声毎に比較検討した。 EGG波形にみられる閉小期のkneeはlow tone,easy phonation,high toneのそれぞれでloud発声時は消失しており、medium発声で明らかになり、soft発声ではさらになだらかな上昇を示した。また、kneeが消失した急激な上昇を示すときは、各GWWはほぼ同時に0を示した。PGG Min.は声門閉鎖期内にあったが、EGG Max.とは一致しなかった。またHSDIのGAWからみた閉鎖期の始点と終点ではPGGの値は同じでなく始点の方が高いことが多かったが、終点の方が高いこともあった。 以上について第42回音声言語医学会にて報告した。PGG波形に関して第10回喉頭科学会にて報告する。以上の件について更に声門開大及び声門閉鎖のパターンとそれに対応したEGG波形のパターンについて及びその要因について、第99回日本耳鼻咽喉科学会総会にて報告する。以上3学会誌に投稿準備中である。
|