研究概要 |
嗅上皮及び嗅球の組織培養実験系を確立する前段階として、ラット嗅上皮に対してin situ hybridization法を行った。嗅細胞に特異的に存在するOlfactory Marker Protein (OMP)及び、NCAM、ベータtubulinについて発現をみた。正常嗅上皮ではOMPが上皮の中間層やや上部に、NCAM及びtubulinは中間層下部を中心に発現が見られた。また、嗅糸切断動物での発現では、切断1週間後にOMPの発現がほとんど見られなくなり、切断2週間後ぐらいから、NCAM,tubulinが上皮下層に発現してきていた。さらに4週間ていどよりOMPの発現が認められ、嗅細胞が基底細胞から分化していることを示唆する結果となった。現在、培養実験を施行中であり、in vivoでの再生分化過程を検討する予定である。
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