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1998 年度 実績報告書

遺伝子変異をもつレーベル病の視機能障害の特徴と発症誘発因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09771427
研究機関神戸大学

研究代表者

中村 誠  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (80273788)

キーワードレーベル遺伝性視神経症 / エトマンドリアDNA / 母系遺伝 / 視神経炎 / 脳脊髄液 / 興奮性アミノ酸 / 中心フリッカー
研究概要

レーベル遺伝性視神経症(LHON)の発症に、神経の興奮性毒性が関与している可能性が示唆されている。これを検証する手がかりとして、LHON患者および種々の視神経症を有する患者から脳脊髄液(CSF)を採取し、種々の興奮性(EAA)および抑制性アミノ酸(IAA)濃度を測定し、比較した。グルタミン酸やアスパラギン酸等のEAA濃度は、LHONと視神経炎患者間で有意差はなかった。IAAの一つタウリン濃度は、LHONや視神経炎,轡者に比べ、虚血性視神経症(ION)患者では有意に低かった。LHON患者は視神経炎患者と比較し、CSF環境に大きな違いはなく、より局所の発症誘発因子を同定する必要があると思われた。ION患者は、LHONや視神経炎患者に比べ、発症年齢が高かったこととから、ION患者におけるCSFの低タウリン濃度は、加齢による影響を受けている可能性もあり、加齢は、興奮性毒性に対する脆弱性の因子の一つである可能性が示唆された,一方、視機能障害様式の解析として、視覚伝達路の中で大細胞系の反応を検出すると考えられている中心フリッカー(CFF)値が、種々の視神経疾患に比べ、LHONでは回復する例が多いことが分かった。通常の視神経疾患は視力回復後もCFFが低値であるが、LHONはこれとは逆に視力障害が残存してもCFFが改善する、逆CFF-視力相関のあることが判明した。既にLHONでは、対光反応を司るW網膜神経節細胞が比較的障害されにくいことが知られている。上記の知見は、LHONの特異な視機能障害様式、すなわちX細胞の比較的選択的障害の可能性を反映しているものと思われた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 中村 誠: "視神経疾患の多局所網膜電図" 日本眼科紀要. 48. 845-850 (1997)

  • [文献書誌] Nakamachi Yoko: "Oguchi diseaie with Sectoral retinitis pigmentosa harboring solemine deletion at position 1147 in the arrestin gene" Am.J.ophthalmol. 125・2. 249-251 (1998)

  • [文献書誌] 中村 誠: "レーベル視神経症" 眼科. 40・10. 1385-1392 (1998)

  • [文献書誌] Maeda Hidetaka: "Blue-on-Yellow Perimetry using an Armaly glaucoma screening Program" ophthalmologica. 213・1. 71-75 (1999)

  • [文献書誌] Nakamura Makoto: "Optic perinenritis not associated with Syphilitic infection" Neuro-ophthalmology. (in press).

  • [文献書誌] 繪野 亜矢子: "Bipolar accipital Straddle電極を用いたmultifocal VEPの検討" 日本眼科紀要. (印刷中).

  • [文献書誌] 中村 誠: "眼科臨床医のためのやさしい分子生物学" 谷原秀信 編集 (株)診断と治療社 発行, 209 (1998)

  • [文献書誌] 中村 誠: "眼科治療のデンジョンメーキング" 山本 節 編集 (株)中山書店 発行, 262 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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