網膜には、視細胞→双極細胞→神経節細胞という縦の連絡に関与する細胞と水平細胞やアマクリン細胞のように横の連絡に関与する細胞が存在する。しかし、これら横の連絡に関与する細胞の機能は、よくわかっていない。そこで、GABA、glycin、taurin、アセチルコリンなどの神経伝達物質やCalmodulin、Parvalbumin、Calbindin D 28K、Calretininなどのカルシウム結合蛋白質の局在を、発生期を網膜細胞分化増殖期、開瞼前網膜細胞完成期、開瞼後網膜細胞完成期、に分類し、水平細胞での局在を蛋白質レベルとnRNAレベルで調べて、比較検討した。 網膜の横の連絡に関与する細胞の機能を明らかにするために、発生期網膜における神経伝達物質(GABA、glycin)、カルシウム結合蛋白質(Parvalbumin Calbindin D 28K)の局在を免疫組織化学的に検索した。その結果、GABA、glycinは、アマクリン細胞、異所性アマクリン細胞に、Parvalbumin、Calbindin Dは水平細胞で、生後早期より重要な役割を果たしていることが示唆された。
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