日内リズムを獲得した家兎の房水内cAMP濃度は点灯後6時間が、20.8±0.5pmol/ml、消灯後6時間が32.3±1.8pmol/mlと、暗いときが11.5pmol/ml多かった。しかし、暗いときのcAMP濃度の上昇は、0.01%のチモロール点眼、上頚交感神経節の切除、上頚交感神経節の節前切断で抑制された。0.1%ロウルシンの点眼は、明るいときのcAMP濃度を上昇させなかったが、暗いときのcAMP濃度を有意に増加させた。0.1%パラアミノクロニジンの点眼は、明るいときのcAMP濃度に影響を与えなかったが、暗いときのcAMP濃度を有意に低下させた。暗いときに0.1%PACを両眼に点眼し、片眼のみ0.1%ロウルシンを点眼すると、パラアミノクロニジンによるcAMP濃度の低下は、ロウルシンによって打ち消された。両側の上頚交感神経節の節前切断を行うと、チモロール点眼、パラアミノクロニジンの点眼ともに房水内のcAMP濃度を低下させなかった。 今回の結果から、家兎眼において、α_2-アドレナリン受容体は前シナプスのみならず後シナプスでも作用していること、α_2-アドレナリン刺激薬が作用するには内因性のノルエピネフリンの分泌が必要であることが分かった。
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