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1997 年度 実績報告書

生理活性物質によるヒト線維柱帯細胞の細胞骨格・細胞核変化の3次元的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09771458
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

松本 康宏  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00254342)

キーワード線維柱帯細胞 / ステロイド / ストレス線維
研究概要

前眼部潅流培養系とlaser scanning confocal microscopeを用いて、ステロイドによるヒト線維柱帯細胞のアクチン線維の変化を調べた。
方法:ヒト眼球を半割し、前眼部を潅流培養した。一眼にはデキサメサゾン添加のDMEMを培養液として用い、他眼はコントロールとしてDMEMのみで培養した。3週間後に固定し、線維柱帯を帯状に摘出した。線維柱帯をシュレム管内壁細胞が上になるようにスライドガラスに貼付し、rhodamine-phalloidinと反応させた。さらにFITCと類似の励起波長を有する蛍光色素YO-PRO1によって核染色を行った。これらの組織をOlympus社製laser scanning confocal microscopeを用いて観察した。
結果:正常のシュレム管内壁細胞では、細胞境界に沿ってアクチン線維が認められたがストレス線維は認められなかった。これはデキサメサゾン投与眼でも同様であった。角強膜網・ブドウ網膜では一部の細胞にストレス線維様の平行に走るアクチン線維束が認められた。デキサメサゾン投与眼はこれらストレス線維様アクチン線維束が増加していた。デキサメサゾン投与眼ではすべての部位でアクチン線維が濃縮されていた。
本研究より以下のことがわかった。
1)線維柱帯細胞(ブドウ膜・角強網膜)にはStress線維が存在することが明瞭になったが、シュレム管内壁細胞には、Stress線維は存在しなかった。これはそれぞれの細胞の起源の違いを反映していると思われた。
2)デキサメサゾン投与によって、線維柱帯細胞のStress線維が増加しアクチン線維が濃縮する傾向を示したが、これはActin線維網が安定化することを示唆し、ステロイド緑内障の発症に関与している可能性が示された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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