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1997 年度 実績報告書

インターフェロン網膜症の発症原因とその治療

研究課題

研究課題/領域番号 09771482
研究機関関西医科大学

研究代表者

福島 伊知郎  関西医科大学, 医学部, 講師 (40261052)

キーワードインターフェロン / インターフェロン網膜症 / アクリジンオレンジ / 白血球 / Scanning laser Ophthalmoscope / nonspecific esterase / adenosine diphosphaase
研究概要

緒言 インターフェロンは肝炎や、老人性円板状黄斑変性症の治療に用いられ、インターフェロン網膜症の発症が知られている。しかし、網膜症に対する有効な治療法や、予防法は報告されていない。そこで、我々は白血球の網膜血管中の血行動態に着目し、インターフェロンの薬理作用を評価した。方法 インターフェロンβ(東レ株式会社)を注射した体重200-250gのLong-Evans ratに、アクリジンオレンジを静注し、それをScanning laser Ophthalmoscope(SLO)を用いて血管造影を行い、白血球の動きを経時的に観察した。また、血管造影後、眼球を摘出し、免疫組織化学法により網膜血管をadenosine diphosphaase(ADPase)、白血球をnonspecific esterase(NSE)で標識した。これにより網膜血管は茶色く染まり、白血球は赤く染まった。全網膜をJB-4に包埋した後、伸展標本で観察、写真撮影し血管造影でみられた白血球、網膜血管と照らしあわせ解析した。切片を作成し、thionineで染色、組織学的観察を行なった。ラットは対照として生食水のみ、インターフェロン発症モデルとしてインターフェロンβ 1×10^5U/kgを各々6匹ずつおこなった。結果 血管造影では、インターフェロン静注30分後から白血球が網膜静脈に接着し、血管に沿って転がっていた。1日目には網膜血管に癒着し動かない白血球がみられ、閉塞した血管もあった。2日目には、網膜血管にみられた白血球は減少した。病理組織学的には、インターフェロン静注30分後には白血球は網膜血管と接着していたがその結合は緩やかであった。1日目には、血管内に白血球と血小板の凝集と白血球の網膜組織内への遊走がみられた。2日後には網膜実質内にみられた白血球のNSEの活性が減少した。対象群では白血球の網膜血管への癒着は見られなかった。結論 インターフェロンは白血球を活性化させ、網膜血管内皮細胞への癒着、組織内への遊走を促進させた。インターフェロンは白血球を活性化させることにより、網膜症を発現させたものと思われた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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