研究概要 |
1.ヒト組織内リンパ管における接着因子発現の検索 ヒト組織内リンパ管について,endothelial cell-selectin (ELAM-1),Intercellular adhesion molecule (ICAM)-1,ICAM-2,ICAM-3,platelet endothelial cell adhesion molecule 1 (PECAM-1)ならびにvascular cell adhesion molecule-1 (VCAM-1)の発現を検索し,顎下リンパ節のリンパ管におけるICAM-1ならびにPECAM-1の発現,ならびに回腸粘膜固有層,粘膜筋板,粘膜下層および漿膜のリンパ管におけるPECAM-1の発現を明らかにした.このこはヒト組織内リンパ管内皮細胞が一般的にPECAM-1を発現する可能性が示すものであり,ヒト組織内リンパ管がPECAM-1を介した細胞接着を行う可能性を示唆するものである.これらの研究成果は第23回日本微小循環学会総会(平成10年2月,盛岡)で発表した.またすでにTissue and Cell(1998)に受理されている. 2.ヒトリンパ管内皮細胞とリンパ球との接着についての検討 ヒト組織内リンパ管におけるリンパ球の存在とその両者におけるPECAM-1の発現を免疫組織化学的に明らかにした(投稿準備中).現在抗PECAM-1抗体を用いたリンパ球のリンパ管に対する接着阻止試験を検討中である.
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