研究概要 |
前年度までに,Actinobacillus.actinomycetemcomitasロイコトキシン発現はプロモ8夕領域の塩基配列によりグルーピングでき,トランスクリプションレベルで行われていること,cAMPのレセプタータンパクであるCRPのコンセンサス配列がプロモータ領域に存在することがわかった。 本年度は実際にCRPとプロモータ領域での遺伝子・タンパク相互作用を調べるため,以下の実験を行い,知見を得た。 1. A.actinomycetemcomitans301-b株でロイコトキンオペロンの転写開始点を明らかにした。DNAシークエンスから予想されるプロモーター配列よりプライマーを設計して,プライマテエクステンションを行った。その結果,ロイコトキシンの遺伝子であるlixCから869bp上流のアデニン塩基が転写開始点であることが判明した。この上流にプロモータ配列があり,さらにその上流にCRPのコンセンサス配列が存在した。大腸菌の抗CRP抗体を用いた,ウエスタンブロッティングマは,A.actinomycetemcomitansでも,CRPが存在が確認できたことから,細菌内のcAMP濃度が,CRPを介して,ロイコトキシン遺伝子オペロンの転写を調節している可能性が示唆された。 2. 明らかになった転写開始点とlixCの間には,オープンリーディングフレームが存在しており,リボゾームバインディングサイトの配列も上流に存在した。この150残基からなるタンパクが,実際に翻訳され,発現しているかどうか,また口イコトキシンに関係するかどうかは不明である。
|