S.mutans GS5をglucose存在下のTYNa培地(pH7.5)中でmid-log phaseまで嫌気培養し、ペレットを回収後、pH7.5およびpH5.5の同培地中に懸濁し、3時間嫌気下にてインキュベートした。破壊が容易でない本菌体からの全RNAの精製はTRIzolとFastPrep Machineの併用にて行ない、質の高いものが短時間で精製可能となった。mRNAの3'末端にpoly(A)を持たない原核生物からの1st.stranded cDNA合成はRandom primer(N)6を用いてSuperscript IIで合成を行った。原核細胞のサブトラクション法を成功させるためには、いかにしてrRNAを取り除くかが鍵となる。S.mutansの16S-23S rRNA断片の増幅する際には、本菌体から精製した染色体DNAを鋳型に、リバースプライマーは5'末端をビオチン(BT)ラベルしたものを用いてPCR増幅した。PCR産物はストレプトアビジン磁気ビーズ(ST-B)に結合させ、NaOHにて相補的な断片は除去した。差分化は、酸性下の1st.stranded cDNA合成物、BT標識した中性下の全RNAおよびST-B結合の一本鎖16S-23S rRNA断片の3種を混合し行い、まずST-Bに結合させた後、マグネットにて除去されなかったものを次の試料として用いた。以降は、これに同様の中性下全RNAおよびrRNA断片を加えて計3回行った。精製後、2nd.stranded cDNA合成を行い、限界濾過カラムにて、分子量の小さいものと合わせてtRNA由来のものを除去した。末端を揃えた後、ZeroBlant PCR Cloning Kitを用いてクローニングした。現在、スクリーニングを行い、塩基配列を決定している。
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