mi/mi変異マウスにおいて骨大理石病がみられることが知られている。破骨細胞形成不全によるものといわれており、我々は破骨細胞形成におけるmitfの役割を検討している。正常動物(ddy)の骨髄細胞をビタミンD存在下で培養すると培養した細胞中に多核の破骨細胞様細胞が形成されることが知られており、この系を用いて、まず破骨細胞形成におけるMitfの発現を検討している。mitfの抗体をC端15アミノ酸残基に対して作成した。この部位は、BLASTP、FASTAPで検索した結果mitf以外検出できなかったが、positive controlのB16メラノーマ細胞でも、negative controlのNIH3T3細胞でも核が特異的に染色された。全長のmitfに対する抗体を用いて、同様の実験を行った結果、B16メラノーマ細胞ではpositiveであり、NIH3T3細胞ではnegativeで、ノーザンブロットの結果と一致した結果であった。このことは、mitfのC端15アミノ酸残基に非常によく似た核内蛋白質が存在する可能性を示唆するとともに、全長のmitfに対する抗体はmitfに特異的であることを示している。現在この全長のmitfに対する抗体を用いて、破骨細胞形成におけるmitfの発現を検討している。 さらに、Mitfと結合する転写因子をスクリーニングするために、培養骨髄細胞から破骨細胞を形成する系を材料にして、cDNAライブラリーを作成して2-ハイブリッドスクリーニングを行っている。現在のところ転写因子がスクリーニングされていないので、pGBTMiTによって発現する蛋白がMitfとして認識できるかどうか検討している。Mitfが蛋白として発現していない場合、全長のmitfを用いて、Mitfと結合する転写因子をスクリーニングを試みる。破骨細胞においては、mitfのノックアウトマウスでは破骨細胞が正常に形成されるので、Mitfがヘテロダイマーを形成する結合する相手の同定が期待されている。
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