• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

γ線および抗癌剤に対する扁平上皮癌細胞の感受性に及ぼすMn-SODの影響

研究課題

研究課題/領域番号 09771540
研究機関高知医科大学

研究代表者

植田 栄作  高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)

キーワードMn-SOD / 扁平上皮癌細胞 / アポトーシス / ミトコンドリア膜電位 / caspase-3 / PARP
研究概要

扁平上皮癌細胞株において、以下の点が明らかとなった。
1. Cu-Zn-SOD活性はγ線および抗癌剤に対する感受性と関係しないものの、Mn-SOD活性は、細胞株により大きく異なり、γ線および抗癌剤によるアポトーシス誘導と相関した。
2. Mn-SOD活性とγ線および抗癌剤処理後の癌細胞内のO_2およびH_2O_2レベルは逆相関し、ミトコンドリアの膜電位の低下、チトクロームCの放出と逆相関した。
3. Mn-SOD活性の高い癌細胞では、caspase-3の活性化は弱く、PARPの不活化(断片化)の程度は弱く、アポトーシスが誘導され難かった。
4. Mn-SOD antisenseをトランスフェクトすることにより、アポトーシスが強く誘導された。
5. cell free系において、活性化したcaspase-3を含むcytosolを未処理細胞から得たミトコンドリアに加えると、チトクロームCの放出が上昇した。
以上の点より、扁平上皮癌の治療においてMn-SOD活性(活性酸素消去能)を考慮に入れて治療を行う必要があることが明らかとなると共に、Mn-SODのアンチセンス取り込み療法は、1つの治療手段になりえることが示唆された。なお、ミトコンドリア膜電位の低下→チトクロームC→Apaf1→Apaf3(caspase-9)の経路のいずれかのところにcaspase-3が作用し、caspase活性化の増幅回路の存在が示唆され、この点を現在、検討中である。

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi