研究概要 |
腫瘍ワクチンの作製:B16-melanoma 4A5およびSq-1979それぞれ5.0×10^5,8.0×10^5に対して、OK-432 0.7KE(0.07mg)を加え、pH7.38・室温の条件下で0.2%グルタールアルデヒドを用い2時間反応させた。15分後には腫瘍細胞に対して、OK-432が重合した状態いわゆるstar formationが見られはじめた。重合後、800rpm・10分間遠心を2回行い、未反応のOK-432やグルタールアルデヒドを取り除き、腫瘍ワクチンを作製した。 腫瘍接種後ワクチン投与(preliminary examination):C3Hマウスに8.0×10^6/150μlのSq-1979を接種後11・25日目に8.0×10^5/150μlの腫瘍ワクチン(V-Sq)を2回接種した。コントロール群には生理食塩水150μlを同様に2回接種した。腫瘍接種後42日経過した時点で、コントロール群の平均腫瘍容積は286mm^3であったのに対して、腫瘍ワクチン接種群では、腫瘍は徐々に小さくなり、平均腫瘍容積は29mm^3と統計学的に有為の差が認められた(P<0.01)。また、C57BL/6マウスに4×10^6/150μlのB16 melanomaを接種後7・14日目に5.0×10^5/150μlの腫瘍ワクチン(V-B16)を2回接種し、コントロール群には生理食塩水150μlを同様に2回接種した。Sq-1979に比べB16 melanomaは急速に増大傾向を示し、腫瘍接種後18日経過した時点で、コントロール群の平均腫瘍容積は9690mm^3,腫瘍ワクチン接種群では9367mm^3と有為の差を認めなかった。しかし生存率を調べると、腫瘍接種後21日経過した時点で,コントロール群は0%であったのに比べ腫瘍ワクチン接種群では、50%と明らかに予後の改善が見られた。
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