研究概要 |
1,25-Dihydroxyvitamin D_3(1,25(OH)_2D_3)および9-cis-retinoic acid(9cRA)はともに、口腔癌細胞HSC-3のPTHrP mRNA発現、PTHrP分泌を用量依存的に抑制することが判った。次に、1,25(OH)_2D_3(10^<-9>M)と9cRA(10^<-8>M)を組み合わせてHSC-3細胞に作用させたところ、1,25(OH)_2D_3,9cRAをそれぞれ単独で作用させた場合に比べ、PTHrP mRNA発現量が有意に低下した。また、1,25(OH)_2D_3(10^<-7>M),9cRA(10^<-7>M)の作用のtime course(0〜48h)を検討したところ、共に、1hからPTHrP mRNA発現量の有意な低下がみられ、12hで抑制は最大となり、同様な抑制が48hまで持続した。また、DRB処理による検討から、1,25(OH)_2D_3,9cRAは共にPTHrP mRNAの安定性には影響を与えないことが判った。 以上から、PTHrP遺伝子上流に、negative vitamin D-responsive element(nVDRE)が存在し、リガンド結合により活性化されたRXR-VDRヘテロダイマーが、このnVDREを介して直接的に転写を抑制していることが示唆された。 次に、squamous cell carcinoma antigen(SCCA)-1および-2の各遺伝子発現を、RT-PCRにより検出する方法を確立し、Southern blot解析のプローブとして用いるcDNAを、HSC-3細胞から抽出したtotal RNAを用い、RT-PCR法によりクローニングした。
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