顎顔面口腔領域では医療の高度化に伴い、顎関節症の診断や人工歯根の稙立などに3次元的な画像診断が求められるようになった。このような場合、従来は、医科用の全身用CTが使用されていた。このCTは原理的に被写体の全域にX線を照射しながら360度の投影データを得て、それから画像再構成していた。このため、顎関節などの被写体の局所のみの画像を得たいときでも、頭部全体にX線を照射しなくてはならなかった。 そこで本研究の目的は、画像を必要とする局所のみにX線を照射するようにして、360度の投影データを得て、局所のみの画像を再構成することを試みることである。 申請者は、本年度、PENTIUM II 300Mhzを使用して3D-CT装置の画像再構成装置を独自に開発した。また、より複雑な演算を高速に処理できるように、新たに局所領域3D-CT画像再構成法に最適な画像処理関数の開発をC++で行った。 この結果、Voxel sizeが0.136x0.136xO.136mm、Voxel areaが240x280x280のとき、その画像再構成時間は約15分となった。次年度は更に、処理時間の短縮を試みる。
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