研究概要 |
多形核白血球からのIL-l2産生のフローサイトメトリー法による検討 多形核白血球は、健常者の末梢血より比重遠心法にて分離した。P.gingivalis,A.actinomycetemcomitans,F.nucleatumの三種の歯周病原菌は、生細胞蛍光色素PKH-2にて染色し、PE-標識抗IL-l2p70モノクローナル抗体を用いた細胞内サイトカイン産生解析との二重染色を行い検討した。PKH-2陽性の歯周病原菌貪食多形核白血球は、食菌開始後1時間では、P.gingivalis刺激:52.7±5.8%,A.actinomycetemcomitans刺激:45.5±8.6%,F.nucleatum刺激:60.5±14.5%を示した。また、食菌開始後3時間では、いずれの歯周病原菌による貪食刺激でも70〜75%の多形核白血球がPKH-2陽性を示したが、食菌開始後3〜6時間では殆ど変化は認められなかった。 一方、IL-l2陽性細胞は食菌刺激開始後1時間では認められず、3〜6時間後でも多形核白血球の5%にしか認められず、今回の実験系ではPKH-2(FITC)陽性およびIL-l2(PE)陽性のダブルポジテイブ細胞は認められなかった。 2.多形核白血球培養上清中のIL-l2p70の検討 各歯周病原菌貪食刺激時の多形核白血球培養上清中のIL-l2p70量をELISA法で測定した結果、反応開始後6時間まで、P.gingivalis刺激,A.actinomycetemcomitans刺激、F.nucleatum刺激のいずれの菌刺激でも10pg/ml以下であった。LPS刺激でも6〜24時間までの培養系において10pg/ml以下であった。 しかし、F.nucleatum刺激では、24時間刺激後で18pg/mlを示しており時間経過と共に増加する傾向を認めた。
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