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1997 年度 実績報告書

難培養性の歯周病関連菌が歯周病成立に果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09771617
研究機関広島大学

研究代表者

竹本 俊伸  広島大学, 歯学部, 助手 (00236506)

キーワードBacteroides forsythus / 歯周病関連菌 / 付着 / サイトカイン / 培養上皮細胞 / 培養線維芽細胞
研究概要

B.forsythusは、約十年前に同定、命名されて以来行われた疫学的研究により、最も有力な歯周病原因菌であるという結果が得られている。報告者は、この細菌のin vivoでの病原性を世界に先駆けて立証した。そこでB.forsythusの病原性をさらに解明するためにこの菌と宿主細胞との相互作用についての研究を行い、以下の結果を得た。
1)B.forsythus標準株および臨床分離株を用いて、そのヒト培養上皮への付着について検討した。癌化した上皮細胞(HeLa細胞およびKB細胞)への付着は著しく弱いが、癌化していない上皮細胞への付着は強いことが明かになった。この正常上皮細胞への付着は、ラクトースなど一部の糖により阻害を受けることから、B.forsythusの上皮細胞への付着が、ヒト上皮細胞表面の癌化に関与している何らかの多糖体を介している可能性が考えられた。
2)B.forsythusをヒト培養繊維芽細胞に作用させて、細胞内のサイトカイン遺伝子発現についてPCR法により検討した。その結果、B.forsythusにより線維芽細胞のlL-6の発現が強く誘導されることが判明した。
以上の結果、B.forsythusのヒト上皮細胞への付着様式が明らかになり、また、この菌と線維芽細胞との相互作用が歯周病を誘発していることが解明された。今後は、B.forsythusの様々なヒト細胞との相互作用によるサイトカインの誘導を、遺伝子レベルだけでなく蛋白質レベルでも確認し、この菌の歯周病原性について更なる解明を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Takamoto, 他: "Characterization of Bacteroides forsythus isolates" Journal of Clinical Microbiology. 35・6. 1378-1381 (1997)

  • [文献書誌] 宗正 禎, 竹本 俊伸, 他: "歯周病関連菌Bacteroides forsythusのヒト細胞への付着能" 広島大学歯学雑誌. 29・2. 265-265 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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