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今回の研究の目的として、イヌ下顎第三小臼歯に実験的歯周炎を惹起し歯周治療を行った後においてプラークコントロール下における矯正的圧下及び保定(実験群)とプラークコントロール単独(対照群)による臨床的歯周組織改善の比較、さらに分岐部における骨欠損の組織学的評価をあげた。実験群において有意に臨床的付着の獲得と歯肉辺縁の位置の歯冠側方向への移動が示された。
臨床的付着の獲得の量は圧下終了時に0.60±0.25mm(n=5)、保定終了時に0.90±0.29mm(n=5)であった。この圧下終了時の結果は森本の報告を支持するものであり、さらに今回保定時にも臨床的付着の獲得が維持され、圧下時に比較するとわずかではあるが、臨床的付着の獲得が増加傾向であった。この結果については平成9年第40回春季日本歯周病学会学術大会で発表した。しかし、この臨床的付着の獲得が新付着であるかどうかは、組織学的評価を行わなければ、明確なことはわからない。従って、今回の目的に組織学的評価もあげた。その結果、対照群、実験群ともに上皮付着、新生セメント質、骨の相対的な添加が観察された、新生セメント質に関しては、実験群で有意に獲得されていた。つまり実験群で有意な新付着を示した。また、この新付着は対照群、実験群共に隣接面と分岐部を比較した場合、隣接面で有意に獲得されていた.これらの結果については、平成9年第40回秋季日本歯周病学会学術大会で発表した。今後これらの結果を論文にしていく予定である。
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