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1997 年度 実績報告書

セメント質中に存在する細胞外マトリックスの歯根膜細胞に対する影響

研究課題

研究課題/領域番号 09771655
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

斎藤 正寛  神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40215562)

キーワードセメント質 / 細胞接着因子 / チロシンリン酸化 / インテグリン / 歯周組織再生
研究概要

セメント質由来細胞接着因子は分子量56kDaのコラーゲン様細胞接着因子でセメント質に局在することが報告されてきた。この蛋白質は間葉系細胞に細胞接着活性を有するが上皮系細胞には示さずRGD配列を介して細胞接着を誘導することから、セメント芽細胞の分化に関与する接着因子の可能性が示唆されている。今回の研究目的はCAPが誘導する細胞接着機構を調べるため、CAPが誘導する細胞内情報伝達機構を調べた。今年度の研究計画はCAPをウシセメント質から精製後、CAPが歯肉線維芽細胞のどのintegrin receptorを介して細胞接着を誘導するか、また接着後歯肉線維芽細胞内でチロシンキナーゼにより活性化される蛋白質を検出した。牛セメント質から精製したCAPは歯肉線維芽細胞に対し2.5mg/mlの濃度で細胞接着活性を誘導した。この活性を抗α2,α3,α5およびβ1 integrin抗体を用いてfunctional inhibition assayを行ったところ、抗α5integrin抗体で50%、抗β1integrin抗体で80%の接着活性が阻害された。しかしI型コラーゲンレセプターとの結合を阻害する抗α2,α3integrin抗体ではCAPの接着活性は阻害されなかった。CAPと結合した線維芽細胞は接着後1時間で分子量125〜130kDa,80kDa,75kDおよび44kDaの蛋白質のチロシン残基リン酸化が認められた。またCAPに接着しない細胞ではこれらの蛋白質のチロシンリン酸化は見られなかった。以上の結果からCAPはα5 β1 integrinを介して細胞接着を誘導し、その後細胞内チロシンリン酸化を誘導することが確認された。またCAPはある種の細胞集団と選択的に接着し情報伝達機構を活性化することから、CAPに対するα5 β1 integrin以外の特異的なreceptorが存在すると思われる。次年度はCAPによって活性化される情報伝達分子の同定およびkineticsを調べる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Saito and T.Teranaka: "Cementum Protein-based tissue regeneration of Periodentium" the Bulletin of Kanagawa Dental College. Vol.25,No.2. 131-135 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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