研究概要 |
平成9年度は,可及的に臨床使用の実態を反映し,動物実験の代替の観点から形態的性質を有した組織モデル(ヒト皮膚由来の結合織細胞をコラーゲン中に3次元的に封入して構成)を用いて,in-vitroにおける細胞生物学的研究から銀ゼオライト添加義歯床用材料(ティッシュコンディショナ-)の口腔粘膜組織への為害作用について検討を加えた。 市販ティッシュコンディショナ-としてVisco-gelおよびShofu Tissue conditionerの2種類を選択した。試料には各材料に銀ゼオライトを粉末重量の0(コントロール),2,5,10wt%添加させ,メーカー指定の粉液比に従って混和・重合した後,5時間経過したものを用いた。Visco-gelに銀ゼオライトを10wt%添加した場合の細胞生存率は,コントロールに比較して有意に小さい値となった(p<0.05)。また,Shofu Tissue conditionerに銀ゼオライトを添加した場合の細胞生存率は,いずれの添加量においてもコントロールと有意差を認めなかった。
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