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1998 年度 実績報告書

フッ素含有抗〓蝕性レジンセメントに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09771699
研究機関長崎大学

研究代表者

吉田 圭一  長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70230729)

キーワードフッ素の取り込み / 抗〓蝕性 / レジンセメント / エナメル質 / 象牙質
研究概要

平成9年度の研究において、最も優れていると思われたG-9.5のフッ素徐放性試作レジンセメントを使用し、セメントから直接エナメル質や象牙質に取り込まれるフッ素を測定した。抜去したヒトエナメル質と象牙質に窩洞を形成し、G-9.5のレジンセメントを填塞した。セメントの接触期間を1日、1週間、1ケ月、3ケ月、6ケ月、1年とし、各期間ごとに、エナメル質や象牙質の各表面から深部へのフッ素イオンの取り込みを測定した。また、セメントとの接触期間の経過にしたがい、エナメル質や象牙質にフッ素が深部へ拡散していくかを評価した。
1. いずれの深さでも、レジンセメントとの接触期間が長くなるにしたがって、フッ素濃度が増加した。また、レジンセメントとの接触期間が、1ケ月、3ケ月、6ケ月、1年と長くなるにつれて、深部でのフッ素濃度が高くなった。
2. レジンセメントからのエナメル質や象牙質へのフッ素の取り込みは、レジンセメント硬化後も持続すること、そして、そのフッ素は時間の経過にしたがって、エナメル質や象牙質深部へ拡散していくことが確認できた。
3. G-9.5のレジンセメントを、エナメル質と1週間接触させた後にセメントを除去し、取り込まれたフッ素がどのように変化するか測定した。取り込まれたフッ素は、セメント除去1週後では、最表層部で一部流失が認められたが、その後の1年間の観察では、フッ素濃度はセメント除去1週後とほとんど同じ値を示した。
4. 取り込まれたフッ素は長期間残存するものと思われる。セメントの溶解がほとんど認められないレジンセメントにおいては、齲蝕抑制効果が長期間持続することを示唆している。
5. フッ素徐放性を有するレジンセメントは、グラスアイオノマーセメントと同様に抗齲蝕性を有するので、材料を選択する際に考慮されるべき重要な利点を獲得したことになる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshida K,Tanagawa M,Atsuta M.: "In-vitro solubility of three types of resin and conuentional futing cements" Jouranl of Oral Rehabititation. 25・4. 285-291 (1998)

  • [文献書誌] Kamada K,Yoshida K,Atsuta M.: "Effect of ceramic surface treatments on the bond of four resin luting agents to a ceramic material." Journal of Prosthetic Dentistry. 79・5. 508-513 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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