研究概要 |
試験食品の有効性に関しては本年度の研究実施計画通りに進行している。すなわち、咬断,粉砕,臼摩に加えて唾液と混和する能力を判定でき、口腔内から容易に取り出せ,定量化できる試作ビスケットを篩分法と比較し,その有効性を検討している.被験者として正常有歯顎者10名に,生米,落花生を試験食品とした篩分法を用い咀嚼値を求め,試作ビスケットの測定値と比較検討を行っている.試作ビスケットならびに篩分法の測定条件として,主咀嚼側において咀嚼回数を10,30,50回とし咀嚼リズムは被験者の自由にまかせ,所用時間を秒時計にて記録している.咀嚼回数が増加するにともない生米,落花生の咀嚼値は増加を示し,同様に試作ビスケットからの測定値においても増加傾向を示していることより,試作ビスケットによる咀嚼機能把握の可能性が示唆されている. 咬合力および歯牙接触面積の測定においては,咬合力測定用感圧フィルムのデンタルプレスケール(50H,タイプR)と専用の解析装置オクルーザーFPD705を購入し各被験者において測定し,試作ビスケットおよび篩分法との関連性を比較し検討を行っている. 今後の予定として,義歯装着高齢者における咀嚼値の評価ならびに咬合力,咬合接触面積の評価を行い,身体的,知的,精神的状態の検査より全身的状態の評価より関連を検討する予定である.
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