研究概要 |
Osseointegrated Implantの上部構造物は、機械研削(pre-machined)されたパ-ツをネジ等で固定して、インプラント体やアバットメントに接合する形式が採用されている。従って、インプラント補綴物の適合精度はこの各種コンポーネントの機械的精度(これが劣るシステムでは、従来の補綴手法による適合精度の向上が意味のないものにもなりかねない)の影響と、従来の補綴物における精度(いわゆる鋳造やろう付け等による三次元的位置変化)の異なった要素が、最終的な適合精度に影響を及ぼす。 そこで第一段階として、日常臨床で広く応用されている数種のインプラントシステムにおける、補綴用コンポーネントの機械適性度を計測した。従来の研究では単にコンポーネントを接合した際の垂直的な不適合のみを評価してきたが、今回レーザー顕微鏡を応用することにより、同一部位の水平的な不適合も評価することが可能となった。その結果、各システム(Steri-Oss,Implant Inovations,Nobel Biocare)において、インプラント体とアバットメントの垂直・水平的な不適合はともに平均値で20μm以下で、比較的良好な値であった。また、一般的に垂直的不適合の方が水平的不適合よりも小さくなる傾向を示した。しかし、同一システムにおいて適合性にばらつきが生じるものもあり、適合精度の安定性に問題のあるシステムがあった。 一方、アバットメントとゴールドシリンダーの適合精度に関しては、各システムともに精度が良好で、垂直・水平的不適合の平均が10〜15μm程度であった。一般的にゴールドシリンダーは鋳接により、直接補綴物を作成するためにこの適合精度は補綴物の適合に直接影響を与えるものと推察できる。
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