研究概要 |
Staphylococcus aureus smith株(S.aureus)を用いてラット口腔底部の感染性炎症モデル作成を試みた。 起炎菌としてS.aureusを用いた。S.aureusをBHI寒天培地にて培養し、対数増殖期に滅菌生理食塩液にて集菌後、滅菌整理食塩液で洗浄遠心(3,000Xg、10分、3回)し、滅菌整理食塩液に浮遊させOD_<430nm>0.3(約1X10^8CFU/ml)に調整し実験に供した。 雄性wistar系SPFラット(7週齢)を三協ラボサービスより購入した。飼料はオリエンタルMFを、飲料水は濾過水道水を自由接種させ、室温23.0±1.0℃、湿度60.0±10.0%、明暗12時間のサイクルの条件下で1週間飼育したものを実験に用いた。エテ-ル全身麻酔下で、S.aureusを30匹のラットの口腔底部に0.1ml(約1X10^7CFU)の用量で接種した。接種後1、2、3、5、7日に、各6匹のラットを麻酔過量投与にて致死させ、口腔底組織を採取した。採取した組織は肉眼的に炎症の確認を行うとともに10%中性ホルマリンを用いて固定し、常法により薄切標本を作成後ヘマトキシリン-エオジン重染色を行い病理組織学的に観察した。また、対照としてS.aureusを末接種のラット2匹を用い、同様に口腔底組織を病理組織学的観察に供した。 その結果、S.aureus接種後3日目のラットが、今回の研究で用いる炎症モデルとして最も有効であると考えられた。さらに、2匹のラットを用い同様の方法で感染性炎症モデルを作成後、ペントバルビタール全身麻酔下で、ラット頭部のCT撮影を行い、X線的にも炎症の作成を確認した。
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