当科では現在、8〜9才以降の患者に対して、自家腸骨、下顎骨、同種保存骨、またこれらの材料の欠点を補うため、各々の材料の混合移植について、患者本人ならび保護者い可及的にその利欠点を説明した上で、手術法を決定している。 今年度は、実際に手術を受けた患者とその保護者を対象に質問紙法による調査を行い、患者側が、最初の説明から手術後、創が安定するまでの我々の治療内容について、どのように感じているかについての情報を得た。 1 当科での説明を受ける前に、顎裂部骨移植についての知識を有しているものは0%であった。 2 手術を決定する際に患者が相談した相手については、父69.9%、母82.6%、矯正歯科医39.1%で、誰にも相談しなかったのは4.3%であった。 3 患者が選択した手術法は、自家腸骨の使用29.2%、下顎骨25.0%、同種骨20.8%、混合25.0%であった。 4 最終的に自分が選択した移植材料、手術法に満足しているものは95.7%であった。 5 インフォームド・コンセントについては、87.0%が満足しており、不十分であると答えたものは8.7%であった。 この結果は第21回日本口蓋裂学会において発表し、また論文として日本口蓋裂学会雑誌(平成10年4月号)に掲載予定である。
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