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1998 年度 実績報告書

単純ヘルペスウイルスI型初感染症の潜伏ウイルスの再活性化について

研究課題

研究課題/領域番号 09771815
研究機関久留米大学

研究代表者

小嶺 徹  久留米大学, 医学部, 助手 (20279227)

キーワード単純ヘルペスウイルスI型 / 初感染 / 自然歴 / 唾液 / 無症候性排出 / 中和抗体価
研究概要

HSV-1初感染症例のnatural historyに関しては,1953年の幼児を対象に詳細な観察がなされたBuddingらの報告のみである.
近年,非抗体保有者の高齢化に伴い,HSV-1初感染症は乳幼児の疾患ではなくなったことと,特異的に効果のある抗ウイルス剤の開発により治療法も一変した.そこで,成人を含めたHSV-1初感染症での新しいnatural historyの観察を目的とした.
研究対象は,口腔外科で診断・治療を行い,協力に同意が得られ,6ヶ月以上観察することの出来ている初感染10症例で,小児3例(男性1例,女性2例)と成人7例(男性1例,女性6例)である.
研究方法は,症状消失してから毎日唾液よりHSV-1の分離を行い,月1回末梢脈血を採取し,中和抗体価を測定しその推移を観察した.また,月1回の再来時に発症エピソードを聞き,ウイルス分離との関わりを検討した.
その結果,10例中7例は1年間,3例は6ヶ月の協力で,全例に症状消失後,唾液中への排出が見られており,月毎に分離陽性を1回としてカウントすると,1年群では最低2回から多い人では10回(平均7回)分離され,6ヶ月群でも3回〜5回(平均4回)であった.この中で症状の発現をみたものは6例で,その内4例は3回から5回と頻繁に口唇あるいは口腔内粘膜に限局性のびらんを発症した.しかし,唾液からの分離日と一致したものは少なかった.また,中和抗体価の推移をみると従来のペア血清で比較すると,有為な上昇をみたものは半数(10日〜2週後)の5例で,残りはそれより遅れて,4倍以上の上昇を示した.以上のことから初感染後に長期にわたって唾液中への無症候性排出や再発病変が発現していることが明らかとなった.また,ペア血清による血清学的診断において,中和抗体下の測定のみでは初感染症の確認が出来にくくなっていた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小嶺 徹,他: "単純ヘルペスウイルス1型初感染後の再発病態を観察した2例" 日本口腔科学会雑誌. 47・3. 392-396 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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