研究概要 |
1.動物実験に用いる茶のフッ素(F)およびアルミニウム(Al)の濃度の決定 (1)緑茶10gを80°C2分間、100ml蒸留水にて浸出1〜6回目までの茶浸出液中のF濃度(ppm) 3 (1回目), 1.45 (2回目), 0.63 (3回目), 0.32 (4回目), 0.16 (5回目), 0.095 (6回目) (2)茶浸出液中のAlは今回の実験で採用した8-quinolinolを用いてのAl測定が可能ではなく、茶浸出液の前処理について検討をおこなった。その結果、密閉テフロン容器を利用した、マイクロウェーブによる湿式灰化法が適切であった。 (3) (1)と同条件で浸出した、茶浸出液中のAl濃度(ppb) 4805 (1回目), 1575 (2回目), 1145 (3回目), 250 (4回目), 175 (5回目), 90 (6回目) (4)上記の結果から、当初計画していた単回投与実験の茶中F、Al量を再検討することにした。 2.茶中FのBioavailability研究の基盤として、ラットにおけるFの吸収に対するAlの影響について検討するため次の条件で単回投与実験を行った。投与量は錯体化合物の構成比を考慮した。 (1) F1mmol/A10mmol(/kg)投与 30分後血清F 2950ppb血清AlBlank (2) F0.95mmol/Al0.35mmol(/kg)投与 30分後血清F 1891ppb血清Al145ppb (3) F0.95mmol/Al1mmol(/kg)投与 30分後血清F 1250ppb血清Al153ppb (4) F0.95mmol/Al1.56mmol(/kg)投与 30分後血清F 1125ppb血清Al194ppb (5)上記の結果から同時投与するAl量の増大につれ、Fの血清中濃度の減少が明らかとなった。 3.さらに今後は長期投与動物実験を行い、茶由来のFおよびAlのBioavailabilityを検討する。
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