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1998 年度 実績報告書

破骨細胞の分化過程における接着分子の発現調節とシグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 09771823
研究機関東北大学

研究代表者

三木 美麗  東北大学, 歯学部, 助手 (10236820)

キーワード破骨細胞 / 接着分子 / インテグリン / シグナル伝達 / 歯根膜線維芽細胞 / 末梢血単核球 / 骨吸収 / c-src
研究概要

(1) ヒト末梢血から末梢血単核球(PBMC)を採取し,破骨細胞の前駆細胞を含む細胞集団として用いた。培養1週間後からTRAP陽性多核細胞が出現し始め,培養2週間目で約60%を占め,4週間目ではかなりの核数を有する巨細胞となった。
(2) ヒト歯根膜由来線維芽細胞(PDL cells)を,filterを介して液性因子のみが作用する状態でPBMCとcocultureを行うと,PBMCからのTRAP陽性多核細胞への分化は抑制された。
(3) PDL cellsを直接接触させて培養すると,牛象牙質上に有意に多くのpitを形成した。骨芽細胞株MG-63にこの効果は無かった。また,破骨細胞と骨基質との接着に関与するインテグリンαvβ3の発現を共焦点レーザー顕微鏡により発現解析を行うと,その発現はPDL cellsとの直接接触により増強していた。骨吸収時に発達するactin ringの形成とシグナル伝達に働くc-srcの発現も類似した増強を示した。
(4) progeniterの条件を検討するため,promyelocyteの性質を示すHL-60とmonoblastの性質を示すTHP-1を用いて比較検討したところ,PDLと直接接触させて培養したHL-60から多数のTRAP陽性多核細胞が形成された。
これより,破骨細胞の分化過程において歯根膜線維芽細胞は,液性の破骨細胞形成抑制因子の産生により破骨細胞数を減少させ,一方で直接接触により破骨細胞の吸収活性を促進するという相反する2つの作用機構を有することが示唆された.また,promyelocyteの細胞株より破骨細胞が形成されたことより,破骨細胞のprogeniterの条件として,分化段階が関与していることが推察された。(734文字)

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 菅崎弘幸: "ヒト末梢血単核球由来破骨細胞様細胞の骨吸収活性制御-培養ヒト歯根膜由来線維芽細胞の破骨細胞支持ストローマ細胞としての役割-" 日本骨代謝学会雑誌. 16. 158 (1998)

  • [文献書誌] 山口希実: "周期的伸展刺激を加えた歯根膜細胞におけるNOおよびPGE_2の産生と合成酵素(NOS,COX)の遺伝子発現" 歯科基礎医学会雑誌. 40. 444 (1998)

  • [文献書誌] 山口希実: "メカニカルストレス受容によるヒト歯根膜線維芽細胞の遺伝子発現の変化" 日本矯正歯科学会抄録集. 107 (1998)

  • [文献書誌] Kanzaki,H.: "Human periodontal ligament fibroblast-like cells support osteoclastgenesis." J.Dent.Res.78. 525 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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