研究概要 |
矯正治療のため抜去された第一小臼歯より得られた歯根膜組織を継代培養し、継代数5,5,6代をyoung、21,22,23代をoldとして実験に用いた。底面がラバー製の培養ディッシュに1x10^5cells/wellになるようそれぞれの細胞をseedingし、ディッシュ底面が18%の面積増加となるような周期的伸展力を1,3,5日間加えた。それぞれのディッシュから採取した培養上清を用いてcollagen産出量を検討したところ、どの日数においてもyoungではoldよりもcollagen産出量が多く認められ、特に3日目では約1.4倍の産出量を認めた。同様にcollagenの遺伝子発現についてRT-PCR法により検討を行ったところ、3日間伸展力を加えた場合youngよりもoldにおいてより強い発現を認めたが、youngおよびoldとも伸展力による発現の変化は認められなかった。さらに、collagenase遺伝子発現の検討を行ったところ、3日間伸展力を加えた場合、youngよりもoldにおいて多く遺伝子発現が認められたが、伸展力による差は両群においては認められなかった。一方、TIMP-1の遺伝子発現はyoungよりもoldにおいて弱く、さらにどちらの場合も伸展力を加えた場合にその発現の低下が認められた。またtPA、uPAの遺伝子発現は、両者ともyoungよりもoldにおいてその発現は弱く、さらにyoungおよびoldとも伸展力を加えた場合、tPA、uPA遺伝子発現の低下が認められた。
|