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1997 年度 実績報告書

シクロブタノン型キラル合成素子の開発と活用

研究課題

研究課題/領域番号 09771891
研究機関東北大学

研究代表者

谷口 孝彦  東北大学, 薬学部, 助手 (90271915)

キーワードキラルシクロブテノン素子 / アシロイン / 動的分割 / 不斉プロトン化 / リパーゼ / メソ-1, 2-エンジオール / キラル合成素子 / エナンチオ制御合成
研究概要

シクロペンタジエンとマレイン酸ジメチルのディールス・アルダー付加体のアシロイン縮合を経て大量に得られるビシクロ[2. 2. 1]ヘプタンバックグランドを持つラセミシクロブタノンの分割法をまずリパーゼを用いるトランスエステル化反応によって確立した.さらにラセミアシロインがトリエチルアミン存在下にメソ型対称エンジオールと平衡になることを見出し,トリエチルアミン共存下にリパーゼ存在下のアシル化を行ない単一のキラルアセテートに到る画期的な動的分割法を確立した.同時に化学触媒による不斉プロトン化を検討し,アシロインから得たメソ対称エンジオールビスシリルエーテルへの夫斉プロトン化によってキラルアシロインを得,これによりキラルシクロブタノン素子に到る手法も確立し,キラル基質の獲得にかかわる問題点を解決した.
現在,得られたキラル3環性シクロブタンを活用する天然物の合成を行ないそのキラル素子としての機能性を開発することを検討している.これ迄全骨格をそのまま対象物の構造中に組込む手法によってモノテルペン(-)-boschnialactoneおよび2種の白檀油中のセスキテルペン(-)-β-santaleneおよび(+)-epi-β-santaleneのエナンチオ制御合成に成功している.今後,本手法と共にシクロブタノン部を修飾後,ビシクロ[2. 2. 1]ヘプテン部のシクロペンテン部逆ディールス・アルダー開裂によって除き,キラルなシクロブテノン等価体としての本素子の活用をはかって行く予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他2名: "Preparation of a Promising Cyclobutanone Chiral Building Block : Its Stereochemistry and Utilization" Synlett. 707-709 (1997)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他1名: "Lipase-triethylamine-mediated dynamic transesterification of a tricyclic acyloin having a latent meso-structure : a new route to optically pure oxodicyclopentadiene" Chem. Commun.1399-1400 (1997)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他2名: "Asymmetrization of a Meso 1, 2-Enediol Bis (trimethylsilyl) Ether Using a (S)-BINOL Monoisopropyl Ether (BINOL-Pr^i)-Tin Tetrachloride Complex : An Alternative Route to (-)-Ketodicyclopentadiene and (-)-Ketotricyclononene" Tetrahedron Lett.38 (36). 6429-6432 (1997)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他2名: "Lipase-mediated kinetic resolution of tricyclic acyloins, endo-3-hydroxytricyclo-[4. 2. 1, 0^<2,5>] non-7-en-4-one and endo-3-hydroxytricyclo [4. 2. 2. 0^<2,5>] dec-7-en-4-one" Tetrahedron : Asymmetry. 8 (16). 2773-2780 (1997)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他2名: "A convenient enantioselective synthesis of natural (1R, 3S)-amidinomycin" Tetrahedron : Asymmetry. 8 (16). 2679-2681 (1997)

  • [文献書誌] T. Taniguchi, 他2名: "An Enantiocontrolled Synthesis of Both Enantiomers of Frontalin" Synthesis. 509-511 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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