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1997 年度 実績報告書

新規活性型超原子価ヨウ素試薬の合成とそれを用いる新反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09771907
研究機関大阪大学

研究代表者

當麻 博文  大阪大学, 薬学部, 助手 (50271028)

キーワード超原子価ヨウ素試薬 / discorhabdinアルカロイド類 / インドロキノンイミン類 / α位アジド化反応 / キラル超原子価ヨウ素試薬
研究概要

新規活性型超原子価ヨウ素試薬の合成とそれを用いる新反応の開発を目指して、今年度は研究実施計画に基づき、ピリジル基の関与を期待したキラルリガンドを有する超原子価ヨウ素試薬の開発研究を行った。キラルピリジルリガンドは遷移金属反応剤のリガンドとして数多く合成されており、各種不斉反応に利用されている。最近、ピリジン類が超原子価ヨウ素試薬の反応性を飛躍的に向上させることが報告されたことから、不斉反応への応用を計画した。申請者は、計画に基づいて、いくつかの光学活性ピリジルリガンドを合成し、実際に超原子価ヨウ素試薬のリガンドとして用いたが、不安定なため構造決定には至らず、また、これを用いるスルフィドの不斉酸化反応も不斉誘起が見られなかった。そこで申請者らはルイス酸活性型超原子価ヨウ素試薬(PIFA-TMSOTf)を用いてアルキルアジド側鎖を有するフェノールエーテル類からキノンイミン類への1工程変換反応を応用して含硫黄抗腫瘍性海洋天然物discorhabdinアルカロイド類の最初の全合成を目指して研究を展開した。その結果、本法がインドール類の分子内環化においても有効で、これらアルカロイド類共通の前駆体であるインドロキノンイミン類を短工程収率良く得ることに成功した(J.Chem.Soc.,Perkin1,1998)。また、これらアルカロイド類の必須構造で合成の難しいN,S-アセタール構造の構築の際に、活性なアジド化試薬PhI=O-TMSN_3を用いることにより、芳香化等の副反応を抑えてジヒドロベンゾチオフェン類の効率の良いα位アジド化に成功した(Chem.Commun.,1998)。今後はこれらの手法を組み合わせることにより、含硫黄discorhabdin類の全合成を完成させるとともに、キラル超原子価ヨウ素試薬の利用による不斉全合成へと展開する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tohma,Hirofumi: "A novel and direct α-azidation of cyclic sulfides using a hypervalent iodine(III) reagent" Chem.Commun.173-174

  • [文献書誌] Kita,Yasuyuki: "A novel and efficient synthesis of pyrroloiminoquinones using a hypervalent iodine(III) reagent" J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1. (in press).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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