研究概要 |
キラル4級アンモニウム塩を相間移動触媒として用いる実用的不斉合成法の開発を主眼にして研究を展開した結果,触媒的不斉Darzens反応,Horner-Wadsworth-Emmons反応,シクロプロパン化反応,エポキシ化反応の開発に成功した.特に前3例は最初の成功例であり,我々が開発した触媒の有用性を示すことに成功した.またエポキシ化反応においては最高不斉収率92%eeを達成することに成功した.いずれの反応も極めて穏和な反応条件下で速やかに進行し,高収率で目的物を与える.したがって我々が開発した方法論は,従来までの不斉合成法が打開できなかった「実用性」を実現すると同時に,相間移動触媒を用いる有機合成の新たな可能性を示唆するものである.
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