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カンゾウ(Glycyrrhiza glabra L.)は4種類のトリテルペノイド関連化合物を植物個体の異なった部位に蓄積することが判明している。これまでに、植物ステロールとトリテルペノイド類の生合成上において共通な経路に存在する2種類のスクアレン合成酵素のcDNAと1種類のスクアレンエポキシ化酵素のcDNA、生合成上の分岐点に位置するオキシドスクアレン閉環酵素のうちシクロアルテノール合成酵素とβ-アミリン合成酵素のcDNAをクローニングすることに成功しているが、新たにルペオール合成酵素の遺伝子と推定される3番目のOSC遺伝子をクローニングすることができた。今後、全配列の決定をすすめるともに、酵母中に発現させて酵素機能の確認を行う予定である。また、β-アミリン合成酵素の遺伝子を植物に形質転換するためのプラスミドの作成をすでに終了しており、植物への形質転換を試みているところである。一方、これまでにクローンニングすることが出来た酵素遺伝子のゲノム中のコピー数を調べるためサザン分析をした結果、いずれの酵素遺伝子も複数の遺伝子コピーが存在し、それに対応したアイソザイムが存在することが示唆された。シクロアルテノール合成酵素とβ-アミリン合成酵素のmRNAの発現をノーザン分析で解析した結果、両者は培養株間、時期により異なる発現パターンを示した。また、ステロールの生合成を阻害するHMG-CoA還元酵素阻害剤を培養細胞に投与した結果、植物ステロールの生合成に関与するシクロアルテノール合成酵素のmRNAレベルの顕著な増加は観察されなかった。
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